PROMO STAFF
2021年03月15日
花粉症や鼻詰まりに鼻洗浄、実は気持ちいいって本当?
鼻洗浄は鼻うがいとも呼ばれています。文字通り、鼻の中を洗い流すことです。鼻の中に水が入って痛い思いをした人は多いはず。 だから鼻洗浄と聞くと、痛いんじゃないかと考えて怖いイメージがあります。でも実は鼻洗浄は痛くないって知っていましたか? 鼻の中を洗うメリットについて知ると、やってみたくなると思います。花粉が飛ぶ季節にこそおすすめの鼻洗浄。その良さと正しい方法を紹介します。
鼻洗浄はなぜ痛くない?
プールやお風呂で鼻に水が入って、痛い思いをしたことがある人は多いと思います。だから鼻洗浄と聞くと、痛いから嫌だと感じるのは当然です。でも実は鼻洗浄って痛くないのです。
鼻に水が入ると痛い理由は、浸透圧が低い「水」だからです。鼻の中に鼻水があっても痛くないのは、鼻水は体液の一種なので細胞内液と浸透圧がほとんど同じであるからです。
水は浸透圧が低く、鼻粘膜に接触すると鼻粘膜を通過して内側へ移動しようとします。水が粘膜を通過して鼻の細胞の中へ入ってしまうと、細胞が破裂してしまいます。そのような事態を回避するために、鼻の粘膜に水が触れると細胞から脳に情報伝達され痛みによって危険を伝え、体を防御しているのです。
鼻洗浄に使う液体の浸透圧は、鼻水などの体液と同じになるように調整しているので、痛くないのです。*1
鼻洗浄にはどんな効果がある?
鼻は外気を吸い込む器官なので、空気中を舞っている細菌やウイルス、ハウスダストや花粉などのアレルゲン、大気汚染物質なども一緒に取り込んでいます。
鼻には元々異物を排除する機能が備わっていますが、鼻洗浄でその機能を補助することにより、風邪やアレルギーなどの原因物質が素早く取り除けます。
風邪や花粉症対策に、うがいだけではなく鼻洗浄も行うと効果的です。
また鼻詰まりや鼻水による不快な症状も鼻洗浄で鼻の奥がスッキリし、症状が緩和されます。鼻をかんで鼻水を出すのが一般的ですが、奥の方にある鼻水まで出すのは難しく、そのため鼻を強くかみすぎてトラブルになることも。鼻洗浄は鼻の奥にある鼻水もきれいに洗い流してくれるので、鼻に負担がかかりません。
鼻洗浄の方法
自宅にあるもので洗浄液を作って行うことができますが、初めての人や自信がない人は、市販品を購入すると簡単です。説明書をよく読み、手順に従います。
鼻に洗浄液を入れる際には前かがみになり、洗浄液を鼻に流し込むとき「あー」と声を出すとやりやすくなります。洗浄液は体温くらいに温めておくと、温度差を感じないので快適に行えます。
鼻洗浄は片方の鼻から液を入れて、同じ鼻またはもう片方の鼻から液を出す方法があります。
慣れないうちは、鼻の入り口だけ洗うのでも大丈夫。恐怖心がなくなってきたら、徐々に奥まで洗うようにして、慣れたら反対の鼻から液を出してみましょう。
ドラッグストアで買える手軽さ
思い立ったらドラッグストアで買って、すぐに試せます。耳鼻科にいくよりも手軽ですね。
風邪や花粉症対策にうがいをしていた人は、鼻洗浄がおすすめです。インフルエンザや風邪は、上咽頭部(鼻と喉の境目)から感染するといわれています。
実はうがいでは上咽頭部まで水が届きにくいのですが、鼻洗浄なら届くのです。
風邪などの対策には、うがいよりも鼻洗浄が効果的という耳鼻科医もいます。
鼻洗浄を行うときに気をつけること
鼻洗浄は手軽に家庭でできますが、気をつけなくてはならないこともあります。
・上を向かない
上を向いて鼻洗浄をすると、洗浄液が耳に流れ込んで中耳炎になる危険性があります。
・両鼻から同時に洗浄液を入れない
両鼻から洗浄液を入れるとむせます。
・鼻洗浄の後に鼻をかむ時は、やさしく
鼻腔内に洗浄液が残っている状態で強く鼻をかむと、液が耳に入り中耳炎になることがあります。
・耳鼻科に通院している人は、医師に相談してから
中耳炎の治療中など、鼻洗浄を控えた方がよい場合もあるので、治療通院中の人はまず医師に鼻洗浄をしても問題ないか確認してからにしましょう。
(参考文献)
*1: 低浸透圧による細胞の膨張はTRPA1を活性化する(大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 生理学研究所)
http://www.nips.ac.jp/nips_research/2018/02/trpa1_4.html